現在の男子100メートルの世界記録は、
ウサイン・ボルト(ジャマイカ)が2009年8月にベルリン世界選手権で記録した
9秒58
ですが10年以上破られていません

ボルトが登場するまでは、ボルトと同じジャマイカ出身のアサファ•パウエルが世界記録保持者でした
- 99年:9.79(M・グリーン)
- 05年:9.77(A・パウエル)
- 07年:9.74(A・パウエル)
- 08年:9.69(U・ボルト)
- 09年:9.58(U・ボルト)
ちなみに私が子供の頃に熱狂したカール・ルイスの記録は、9秒86
ドーピングで失格となり幻の記録と言われたベン・ジョンソンの記録は、9秒79
ウサイン・ボルトの記録がいかに圧倒的、驚異的であり、この先人類は彼の記録を破れないのではないかとさえ思えます
東京オリンピック100メートル優勝候補者
男子100メートル走はオリンピックの花形種目
緊急事態宣言が今にも出そうなこの状況下で、そもそも東京オリンピックが開催されるかかなり微妙ですよね
しかし、もしオリンピック開催となった場合、ボルトが引退した今、誰が世界最速の称号を手にするのでしょうか
クリスチャン・コールマン(米国)
175㎝と陸上選手としては小柄ながら、驚異的なスタートダッシュが武器の選手。
ボルトが引退してからは彼の記録9秒76は世界最速
2019年世界陸上男子100メートル覇者
60メートルでも6秒34の世界記録を持つ
しかし、ドーピング検査ルール違反により2年間資格停止処分を受けたことにより、東京オリンピック出場は厳しくなってしまいました

ジャスティン・ガトリン(米国)
短距離界のレジェンド、ジャスティン・ガトリン

世界歴代5位となる9秒74(2015年)のベストを持ち、五輪および世界選手権の100mで3度の金メダルを獲得
現在39歳のガトリンは、今も東京オリンピックに向けてトレーニングを行っています
5回の五輪大会を経て、決勝へと連続で進出した者は未だかつていません。もし実現したらそれは金メダル以上の偉業なのかもしれません
マイケル・ノーマン(米国)
カリフォルニア州出身の22歳、若手の成長株。
母親はなんと日本人

2020年7月、米テキサス州で行われた競技会の100メートルで世界最速タイムの9秒86を記録
男子400メートルでも2019年に世界最高となる43秒45をマークしていて、コンディション次第では十分優勝も狙える選手です
アカニ・シンビネ(南アフリカ)
2016年リオデジャネイロオリンピック100メートルのファイナリスト。

今年に入って、向かい風3.0mで9秒99を記録。これは無風ならなんと9秒79と同レベルの記録だそうです。
24歳の南アフリカ陸上界の若きスターが、見せ場を作るのでしょうか
アンドレ・ドグラス(カナダ)
200mの現カナダ記録保持者の26歳

2016年リオデジャネイロオリンピックで、200mで銀メダル、100mで銅メダル、4×100mリレーで銅メダルを獲得
2020 男子100m世界ランキングでは、9秒97の第4位
トレイボン・ブロメル(米国)
2015年北京世界選手権男子100mの銅メダリスト

専門は短距離走。100mで9秒84、200mで20秒03の自己ベストを持つ。
100mのU20世界記録保持者。
2020 男子100m世界ランキングでは、9秒90の第2位とメダル有力候補
ボルトはやっぱりすごかった
こうして現役の有力候補となる選手の記録を眺めてみると、ウサインボルトの9秒58はやばすぎますね。

9秒台の日本人選手
近年の日本人の体格は昔に比べたら欧米人に近づきつつあり、かつ科学的トレーニングの進歩もあり、記録が伸びてきているので楽しみです
2017年に桐生祥秀が、日本人で初めての10秒の壁を破る9秒98の日本記録を樹立して以来、日本人は3名の9秒台の選手がいます
もし本番で彼らの自己ベストを出せることがあれば、ファイナリストになれる可能性は十分にあります
そしてなんと言っても日本チームは、4X100メートルリレーのメダルの期待が高まります。
19年: 9秒97(サニブラウン・ハキーム)
17年: 9秒98(桐生祥秀)
19年: 9秒98(小池祐貴)
山縣亮太が2年ぶりの優勝
9秒台ではないですが、10秒00の記録を持つ山縣選手が、オリンピックが近づいているこの時期に、桐生選手や小池選手を破り優勝しました。

日本人代表は誰になるのか
(6月5日更新)
日本の陸上男子100メートルの五輪出場枠は3つですが、以下の2つをクリアすると即内定です
- 一定期間に参加標準記録10秒05をクリアすること
- 25日に始まる日本選手権で3位以内になること
現時点で記録の条件を満たしているのは、サニブラウン、桐生、小池の3名
明日6日の布勢スプリント(鳥取市)で、他の選手が参加標準記録10秒05を破れると、25日の日本選手権が混戦になってきます
ケインブリッジ飛鳥、多田修平、山県亮太などまだ有力な選手もいますので、今月は目が離せません