前回は、中学受験の勉強を塾だけに任せきりになるのでなく、親が勉強を教えるメリットについてお話ししました。
今回は、逆にそのデメリットと注意点についてお伝えしたいと思います。
なお、この話はボリュームゾーンにいる層の子供たちの話しなので、自ら考えて動けるキッズたちには当てはまらないのでご注意を。
親が勉強を教えるデメリット
- 全部親が仕切ると子供は何をするべきか考えなくなる
- 塾の授業で分からなくても大丈夫、家で教えてもらえるという甘えがでる
- 親の予習勉強がきつい
- 親子関係の悪
全部親が仕切ると子供は何をするべきか考えなくなる
通常、塾ではペースメーカーとして、週末に行われる確認テストや月一回の定期テスト(クラスなどがこれで決まる)などがあります。
優秀な子供たちは、テストに向けて自ら計画し実行に移しますが、多くの子供は、行き当たりばったりです。大人なら目標から逆算して、「いつまでに何を仕上げておくか」を考えることができますが、子供はなかなかそうはいきません。
そうなると、ついつい親は、「月曜日は算数のXXページまで。火曜日は社会のプリント、水曜日は国語の漢字練習〜」みたいに細かい指示を出したくなります。
これ、短い時間で結果を出すには非常に有効です。
しかし、短期の視点ではこれはありだと思いますが、このスタイルをずっと続けていると、そのうち子供は何も考えず、ただ親の指示に従うだけなります。というのも、親に言われた通りの問題がテストで出て良い点が取れたり、前の方の席になったり、クラスが上がったり、子供たちのプライドを保てるからです。こうなると、逆に指示の無いことは自らは実行しなくなります。
私も最初はかなり細部にまで指示を出していましたが、子供がそれに安心し切って、そのうち指示していない事は一切やろうとしなくなったのを見て軌道修正した苦い経験があります。
従って、細かい指示を出すのは4年生で塾のペースに慣れるまでとかにし、徐々に「いつまでに何をやるべきだと思う?」「宿題のページ数を確認して毎日何ページやらないと終わらないかな?」など、子供たちが考えるきっかけを作ることが大事だと思います。
塾の授業で分からなくても大丈夫、家で教えてもらえるという甘えがでる

これもまさに息子の話。
算数の授業が分からない、先生の言っていることが理解できない、にもかかわらずノートは一切取らないで帰ってくる。で、帰ってきてから私の授業であたかも初めて聞いた話しかように反応する。
親がサポートし過ぎると「授業で理解してこよう」という気持ちが弱くなり、甘えが出てきます。
これ、結構悩ましい問題です。内容を分かっていないからフォローしないと、どんどん授業についていけなくなりますし、かと言って全部教え直していたらいつまで経っても甘えからは脱出できません。
私は結局、5年生の冬からは、授業を一からフォローをすることはやめました。わからない箇所は塾で先生に聞いてくるように促し、「父親の授業のやり直しは無い」と理解させる事にしました。
これは結構賭けで、予想通り、教えるのをやめた途端成績が下がり、最初はかなり焦りましたが(汗)。
その代わり、私は志望校の過去問対策に時間を使うことを始め、対象となる学校が毎年のように出題する「計算パターン」と「一行題」「文章題」を分析し、そこを攻略するようにしました。ここの解き方はパターンとして家で何度も繰り返し教えました。
また、テキストの文章だけではなかなか頭に入ってこないような内容を子供にも分かる内容にまとめ直したりするして、塾の授業と家のフォローのハイブリッド型に変えました。
特に理科・社会は、表現を変えたり、視覚的に訴える教え方をすると子供も結構覚えたりします。


親の予習勉強がきつい
中学受験の内容は、大人といえども何の準備もなく教えられるほど甘くは無いです。算数なんて5年の夏以降の内容は、大人が解答を読んでもすぐには理解できない問題も出てきます。
また、子供が塾で習っていくる方法と親の教える方法に違いがあると子供は混乱します。
従って、親が教えようと思ったら、親も勉強が必要です。その覚悟がないときついと思います。
ただ、親がマンツーマンで、かつ分かりやすい表現で教える事によって、子供の理解が促されることもたくさんあります。また算数などは、塾で公式を覚えさせられて帰ってきますが、数の本質的な考え方を時間をかけて教えられるのは親塾の方だと思います。
その辺の親の勉強を教えることの心構え的なことは、いろいろ本を読んだ中でも、ドラマにもなった「下克上受験」で有名の桜井信一さんの著書:
「わが子に教えたくなる中学受験 算数・国語」
は非常に参考になると思います。
下克上受験も、一家庭の物語として参考にさせていただきました。桜井さんはすごいと思います。
親子関係の悪化
どんなに仲の良い親子でも勉強を教えるとなると必ずぶつかるもの。ましては子供は思春期、だんだん自我が目覚め、親のいうことを聞かなくなります。
私は大学生時代に、塾の講師や家庭教師をしていたので、子供ができない場合の対処に対して冷静でいると自分で思っていましたが、自分の子に対しては全く違いました。
想いが強いゆえに、練習したばかりの問題をテストで間違えた時や、何度も教えても理解しない時につい大声を出してしまったり、時には子供の目の前でものに当たってしまったり、、
声を荒げてしまった後は、自己嫌悪に陥ります、はい。
親が教えることの難しさ、まさにここが一番ではないでしょうか。感情的にならない、怒りがこみ上げても一呼吸置く、まさに親にとっても試練です(笑)
まとめ
以上、今回は、親が勉強を教える大変さについて書きましたが、長い3年間の親子の中学受験勉強二人三脚には、家庭の数だけ様々なドラマがあると思います。
偏差値の上下に一喜一憂したり、並んだり、苦しんだり、、。
そんないろいろな経験を少しずつ書いていきたいと思います。