村上ファンドで有名な村上世彰(むらかみ よしあき)氏の著書『生涯投資家』を西アズナブル氏が漫画化しました
当時は、ヒルズ族やホリエモンこと堀江貴文のライブドア事件、ハゲタカファンドなど、世間を騒がせたのは記憶に残っていますよね。
そんな経済界に旋風を巻き起こした「物言う株主」村上世彰氏の半生の記録です

マンガ『生涯投資家』のあらすじ
『生涯投資家』は村上氏の生い立ちからその半生を描きつつ、当時世間を賑わせた事件の背景を知ることができます
- 昭栄に対するTOB:日本初の敵対的買収を仕掛ける
- 東京スタイルでのプロキシーファイト(株主総会での多数派獲得のための争い)に初挑戦
- フジテレビを巻き込んだニッポン放送への投資
- 鉄道会社の再編を試みる
- 阪神タイガース上場案提出
- インサイダー取引の容疑で対応
特にクライマックスは、フジテレビ vs ホリエモン の話ですね。

村上ファンドの勝率
村上氏は、関西の名門校 灘校を卒業し東大法学部に進学。卒業後は通産官僚として16年間国家に仕えてきました。
まさに絵に描いたような超エリートコースです
そんな村上氏の設立した村上ファンドですが、当時はまだその先進的な欧米スタイルが、日本の文化に受け入れられず、苦戦を強いられています
実際に手がけた大きな案件は
- 昭栄に対するTOB → 失敗
- 東京スタイルとのプロキシーファイト→ 失敗
- フジテレビを巻き込んだニッポン放送への投資 → 勝敗つかず(儲けは出た)
- 西武グループへのTOB → 失敗
- 阪神鉄道への投資 → 自身が途中で逮捕されたため途中で撤退
と言ったようになかなか自分の理想を実現することは難しかったようです。
とはいえ、ファンドの成功報酬などもあり、絶頂期には200億円もの個人資産を築いていたそうですから、成功を納めたと言えるでしょう。
最後には逮捕という結末もありましたが。
マンガ『生涯投資家』の評価
良かった点:
- 漫画なのですぐに読み終わってわかりやすい
- 当時の大物経営者たちが多く出てきて裏でどんな話が行われていたかを知ることができる
- クライマックスのライブドア事件の背景が分かりやすく説明されている
- 西武グループや阪神電鉄などの企業の裏側を知れる
イマイチだった点:
- 村上氏の著作なので彼の視点で描かれており、全てが本当にそうであったかは分からない
- 逮捕に至る経緯の描写があまりなくはっきりしない
彼の一方的な主張もあるとは思いますが、当時の経営者たちとのやり取り、若き日のホリエモンやサイバーエージェントの藤田社長なども登場し、全体的には最後まで楽しめました

現在の村上氏は、シンガポールに在住し、執筆活動や全国の小中学校、高校にて「お金の授業」を行うなど子供たちへの金融教育に力を入れているようです
私も以前から日本は義務教育の過程において金融や資産形成の教育をするべきだと思っているので、村上氏、我が子の学校にきてくれないでしょか(笑)
1時間もかからないで読み終わるマンガですので、興味のある方はぜひ読んでみてください