18日アラスカ州アンカレッジで行われたアメリカと中国の外交当局のトップによる会談により、米中の対立がより深刻化してきました。
今回の会談は、バイデン政権発足後初めてとなるもので、冒頭から非難の応酬、両国の対立の激しさが改めてクローズアップされました。
オバマ元大統領から始まった、米中の覇権争いは、2021年より本格化しそうです。

アメリカ側の主張
中国が人権、安全保障、経済の幅広い分野で国際秩序を脅かしていると批判
- 新疆や香港、台湾での中国の行動
- 中国によるアメリカへのサイバー攻撃
- 米国の同盟国への経済的な威圧
これらの行動はいずれも、世界の安定維持につながる法規秩序を脅かすものと主張
中国側の主張
アメリカが価値観を押しつけている
- 中国には中国の民主主義がある
- アメリカにも人種差別があり根深い
- アメリカが、圧倒的な軍事力と経済力によって諸外国を抑圧している
- アメリカは、国家安全保障の概念をゆがめ、正常な貿易を阻害し、一部の国に中国を攻撃するよう扇動している
アメリカ流民主主義の押し付けをやめるよう主張
米中の国力比較
なぜ今これほどまでに両国の対立が表面化してきたのか?それは、
自分の方が圧倒的に上だと思ってたアメリカが、いつの間にか中国が自分を追い越そうとしているのに気づいたから
に他なりません。
実際、この10年で両国の国力の差は大きく縮まりました。

- 国際特許出願数では、既に中国がアメリカを上回る
- 中国のGDPは、まだアメリカの70%程度だが、この10年で差は大幅に縮み、中国がアメリを追い越すのも時間の問題
- 海軍の艦艇数は、既に中国がアメリカを上回る
アメリカがジリ貧なのは一目瞭然
日本では人気のオバマ元大統領ですが、彼が、長い間に渡って中国の好き放題にさせてきたツケが回ってきたのが原因であると私は思っています。
そもそも私は、個人的には、耳障りの良いことしか言わない政治家は信用していません。都知事とか。
両国対立の今後の行方
軍事力、特に東シナ海はもはや中国軍が圧倒しています。
経済でも米国は大きなダメージを受けているのに対して、中国は早々とコロナを押さえ込み、経済活動は回復しています。
では、このまま中国が覇権国家となるのでしょうか?
私は、以下の理由から、一時的には中国がアメリカを超えることはあっても、長くは続かないと思っています。
- 中国共産党が全てをコントロールする国では、世界を変えるような革新的テクノロジーが育ちにくい
- アメリカは、いまだ人口が増え、世代間の新陳代謝が行われるのに対し、中国は既に少子高齢化が始まっている
- 世界の先進国が、人権問題をきっかけに中国との付き合い方を見直している
今、アメリカは残念ながら単独で中国と戦えるほどの余裕はなくなっていますから、同盟国との連携を深めて、中国包囲網で対抗していくことになるでしょうね。
そうなると日本の役割は少なくないと思いますが、「アメリカの属国」と言われたのに対して相も変わらず「不快感」レベルではダメですよね。